貴族的な複雑機構に、豊かな温もりを添えたオーヴァーシーズ。
ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダーは、貴族のなかの貴族というべきモデルだ。この時計の初代は、18KWG製ケースで2016年に登場した。この年、ヴァシュロンは、全体的にデザインが洗練され、初めて純粋な永久(パーペチュアル)カレンダーを搭載したオーヴァーシーズを発表し、新しいコレクションに加えたのだ。このコレクションには、新しいオーヴァーシーズ・エクストラフラット(当時も今も、ヴァシュロンの現行のモデルのなかで最も美しい時計のひとつだと感じている)も含まれており、どちらの時計もヴァシュロンのCal.1120という同じ基幹ムーブメントを搭載している。
2022年 ヴァシュロン・コンスタンタン新作 オーヴァーシーズ・オートマティック 4500V/110R-B705
オーヴァーシーズ・オートマティック
Ref:4500V/110R-B705
ケース径:41mm
ケース厚:11mm
ケース素材:18K(5N)ピンクゴールド
防水性:15気圧(約150m)
ストラップ:18K(5N)ピンクゴールド、ポリッシュとサテン仕上げの半マルタ十字リンク、プッシュボタン式トリプルフォールディングクラスプ、コンフォートアジャスト・システム
2本目の付属ストラップ:ブルーミシシッピ・アリゲーターレザー、ブルーのヌバックにパンチング模様を施したライナー、手縫い、ラージ・スクエア・スケール、18K(5N)ピンクゴールド製バックル
3本目の付属ストラップ:ブルーラバー、18K(5N)ピンクゴールド製バックル
ムーブメント:自動巻き、Cal.5100(自社開発・製造)、約60時間パワーリザーブ、毎時28,800振動 、37石
仕様:時・分・センターセコンドによる秒・日付表示、透明ブルーラッカー文字盤、サーキュラーサテン仕上げ(フランジ部)、白い蛍光塗料を施した18K(5N)ピンクゴールド製インデックス・時針・分針、サファイアクリスタルのシースルーケースバック、磁気から保護する軟鉄製ケース・リング、ねじ込み式リュウズ、ジュネーブ・シール取得
もちろん、パーペチュアルカレンダーを機械的に組み込む方法は数多くある。過去50年余りにわたるパーペチュアルカレンダーの主要な技術革新により、この機構を搭載した時計は、限りなく完璧に近い姿となってきている。ヴァシュロンのオーヴァーシーズ パーペチュアルカレンダーとはデザイン的にも哲学的にも正反対のオックス・ウント・ユニオールの永久カレンダー機構は、わずか9個の部品を追加しているのみである。
後者は、エンジニアリングの観点からは非常にエレガントな効果が得られる。部品が少なければ少ないほど、不具合が発生する可能性は低くなり、この種のシンプルさには真の美しさと知的満足感が得られる。しかし、機械式時計製造においては、エレガンスの在り方は多様であり、それぞれに満足感がある。Cal.1120に搭載された古典的なパーペチュアルカレンダー、Cal.1120 QP/1は、数世紀にわたるパーペチュアルカレンダー機構の伝統に系譜を持つ。Cal.1120 QP/1は、現代の腕時計に見られるような伝統的なパーペチュアルカレンダーの受けを採用し、プログラムホイール、ムーンフェイズ、そしてこの種のパーペチュアルカレンダーを時計製造技術と歴史の宝庫たらしめる、製造が難しいスティール製カムとジャンパーを備える。
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